無電解ニッケル-リンめっき
特徴
均一被覆性
無電解ニッケル-リンめっきは電気ニッケルめっきと異なり電気を使用しない為、電流分布の影響を受けません。よって複雑形状品でも均一にめっきを被覆することが可能です。寸法公差の厳しい製品に対して有効なめっき加工です。
耐食性・耐薬品性
無電解ニッケル-めっき析出状態では非晶質の皮膜です。皮膜中に10%のリンを含有しており、電気ニッケルと比較して酸に対して強い皮膜です。アルカリに対しては電気ニッケルと同等の強さです。
耐摩耗性
熱処理(320℃)を行うことでビッカーズ硬度をHv500からHv800以上に上昇させることが出来ます。
出張めっき
当社では大型部品など移動が困難な品物について、出張での無電解ニッケルめっき施工も請け負っております。
めっき仕様と処理条件
皮膜組成 | Ni:89~91% p :9~11% |
ワークサイズ(mm) | 1100×700×2000まで (微小部品も対応可) |
---|---|---|---|
融点 | 約890℃ | 重量 | 1500kgまで |
比重 | 7.8 | 材料 | 鉄鋼、銅材、アルミ材、しんちゅう等 |
硬度 | 400~500Hv(析出状態) 700~800Hv(熱処理) |
素地状態 | 公差品、面粗さ指定品は要相談 |
磁気特性 | 非磁性(析出状態) | 耐蝕性 | 電気ニッケルより優れる |
電気抵抗 | 60μΩ/cm | めっき厚さ | 3μm~50μmまで |
均一析出性 | 複雑形状でも全面つきまわり可。精度は所定膜厚の±10%以内 | その他 | 防錆処理 ベーキング処理 (大気下320℃まで) |
特徴
均一被覆性、耐食性、耐薬品性、耐摩耗性
主な用途
シャフト、機械部品、発電部品、何でも承ります。
この表面処理がおすすめの素材
鉄鋼、銅合金、アルミニウム
無電解ニッケル出張めっきの実績(大型シャフトの一部に施工)
年度 | 径 | 長さ | 本数 |
---|---|---|---|
2001年 | φ2.3m | 4m | 1本 |
2008年 | φ2.0m | 9m | 1本 |
2009年 | φ3.0m | 8m | 1本 |
2010年 | φ3.0m | 6m | 1本 |
2011年 | φ3.0m | 9m | 1本 |
2012年 | φ3.0m | 6m | 1本 |
2014年 | φ2.5m | 5m | 1本 |
2014年 | φ3.0m | 3m | 1本 |
2015年 | φ2.5m | 5m | 1本 |
2016年 | φ3.0m | 6m | 1本 |
2017年 | φ2.0m | 9m | 1本 |
2018年 | φ2.0m | 9m | 2本 |
2019年 | φ2.0m | 9m | 1本 |
2019年9月現在
無電解ニッケル-ボロン-リンめっき(Ni-P-B)
特徴
均一被覆性
無電解めっきの為、均一被覆性に優れております。
耐摩耗性
めっき析出状態でもビッカーズ硬度Hv700があり、無電解ニッケル-リンよりも摩耗に強い皮膜となっております。
耐熱性・耐衝撃性
無電解ニッケル-リンめっきと比較して熱に強く、また強い靭性により衝撃に強い皮膜です。自動車部品等の衝撃摩耗部や高温部に使用されております。
ハンダ付け性
無電解ニッケル-リンめっきと比べてハンダ付け性に優れる皮膜です。
めっき仕様と処理条件
皮膜組成 | Ni:97~98% p :1.5~2.5%、B :1%以下 |
ワークサイズ(mm) | ご相談承ります (微小部品も対応可) |
---|---|---|---|
融点 | 約1200℃ | 重量 | 1500kgまで |
比重 | 8.6 | 材料 | 鉄鋼、銅材、アルミ等 |
硬度 | 700Hv(析出状態) 800Hv以上(熱処理) |
素地状態 | 公差品、面粗さ指定品は要相談 |
磁気特性 | 強磁性 | 耐蝕性 | 無電解ニッケル(Ni-P)より劣る |
電気抵抗 | 30~42μΩ/cm | めっき厚さ | 20μmまで(下地に無電解Ni-P) |
均一析出性 | 複雑形状でも全面つきまわり可。精度は所定膜厚の±10%以内 | その他 | 防錆処理 ベーキング処理 (大気下320℃まで) |
機能・特性
均一被覆性、耐摩耗性、耐熱性、耐衝撃性、ハンダ付け性
主な用途
シャフト、フランジ、のこぎり等
この表面処理がおすすめの素材
鉄鋼、銅合金、アルミニウム